みなさんは「大型検査装置」と聞いたときに、どのような装置を思い浮かべるでしょうか?今回は画像も掲載しているためイメージが誘導されてしまう方も多いと思いますが、我々の生活にも身近であることから、医療におけるCT検査に用いられる”CTスキャン装置”や磁気を利用する”MRI装置”を思い浮かべる方も多いと思います。現代では様々な技術が発展を遂げ、過去には想像もできなかった機械や装置が登場し、最新のテクノロジーが用いられた高性能なマシンの活用が実現できています。医療の分野では上記のCTスキャンやMRI技術の登場により、過去には発見できなかった病気の発見が可能となり、世界的な平均寿命の向上に貢献しています。
また、大型検査装置は製造業においても欠かせない存在です。同様のCTの仕組みを活用した製品や超音波・磁気を利用した検査装置などが開発・活用されており、製品の高品質化や検査の効率化を実現しています。以上のような高いスペックを発揮してくれる大型検査装置ですが、どの装置においても、急に今の形が発明されたわけではなく、過去に発明された検査装置を改修されるかたちで長年の研究により開発された製品が多く、古くから研究が続けられている電磁気学・信号処理技術や、新たなAI技術などの新技術が結集して、今の大型検査装置が開発されているのです。
多くの大型検査装置では、電磁気が利用されていること、自動化に向けた機械的な機構を有すること、耐久性が求められることなどにより、多くの精密加工が施された金属部品が利用され、必要に応じて特殊合金の部品も用いられます。したがって、大型検査装置の製造において金属加工による部品製造の出番は多く、弊社が得意とする大物部品の加工が求められるシーンも多いです。弊社が保有するターニングセンタや五面加工機は、直径1メートル以上の部品の製造も可能であり、高精度な加工はもちろん、工程の合理化などによるコストメリットもお客様に提供できる場合があります。
この記事では、大型検査装置の仕組みが活用される主要な金属部品、製造上のポイントを紹介いたします。
はじめに:大型検査装置とその役割
大型検査装置はその名の通り人体や製品、建造物などあらゆるものを検査するための設備で、医療、製造、物流の各分野で不可欠な役割を果たしており、社会において重要なインフラとして活用されています。医療分野においてはCTスキャンやMRI装置が代表的な例で、患者の体内を非侵襲的に観察することで、診断精度を向上させ、治療計画を精緻化する助けとなっています。こうした装置の登場により、従来では発見が難しかった疾患がより早期に検出され、医療の質の向上に大きく寄与しています。
また、上記の画像のような空港における荷物検査においてもCTスキャン機が利用され、物流・輸送・航空機の分野でも同様の技術が活用されています。これらの装置は、荷物の内部構造をX線を用いて詳細に確認できるため、危険物や異物の迅速な検出が可能です。空港での安全管理において、こうした大型検査装置の技術は欠かせないものであり、旅客の安心・安全を支える一助となっています。
さらに、製造業でも大型検査装置は品質管理の要です。自動車や航空機、発電プラントなどの高精度な製品においては、内部にわずかな欠陥が許されないため、CTスキャンや超音波検査装置を用いることで、目に見えない内部の不良を確実に検出しています。また、航空機や発電プラント等においては特に部品も大型となりやすいため、効率的な検査に向けて、検査装置も大型化が求められます。大型検査装置の導入により、製品の安全性と信頼性が確実かつ迅速に確保され、製品不良の早期発見によって生産の効率化が図られています。
これらの大型検査装置には、精密な制御を要する金属部品が数多く使用されます。特に、医療機器や産業機器で使われる装置部品には、耐久性や精度が求められるため、高い技術力と信頼性が重要です。中には、直径1メートルを超えるような大物の金属部品や、複雑な形状の部品加工も求められ、高い金属加工技術が、大型検査装置の性能を実現しているのです。
代表的な大型検査装置の種類
大型検査装置の重要性と役割について、簡単に概要として説明しましたが、大型検査装置にも様々な種類があります。ここでは、様々な技術が利用されている大型検査装置の種類に関して、簡単に列挙して説明します。多くの大型検査装置は、内部構造や素材の状態を精密に検査するために設計されており、最先端の技術によって実現された高精度な観察や解析、関しが可能となっています。
- CTスキャン装置
医療分野で代表的なCTスキャン装置は、X線を利用して身体の断面画像を得る装置です。特に骨や臓器の細部まで高精度に表示できるため、疾患の早期発見や診断に欠かせません。装置内のガントリと呼ばれる回転構造がX線源と検出器を高速で回転させ、数秒で高精細な断面画像を取得します。
CT装置の中には、大型の金属製コイルが搭載されており、これはX線発生装置や電子部品の冷却や制御に重要な役割を果たしています。特に、X線源を支える大型の電磁コイルは、安定したX線照射を行うために電磁誘導を利用して高精度に制御されます。また、CT装置の回転構造や電子機器の冷却システムには、銅などの金属部品が使用され、発熱の管理がされています。さらに、これらの金属部品には耐久性や高い導電性が求められ、耐久性と精度を兼ね備えた設計が施されています。日本では、キャノンメディカルシステムズ株式会社(旧:東芝メディカル)によって高性能で安全性が高いCTスキャンが製造され、国内外で活躍しています。
また、製造業でもCT技術を応用した検査装置が活用され、内部構造の欠陥や不良箇所を非破壊で検査するのに利用されています。さらに、空港などの物流分野では荷物検査用のCTスキャン装置が導入され、危険物の検知やセキュリティ強化に役立っています。
- MRI装置
MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像法)装置は、磁場とラジオ波(無線周波数)を利用して人体内部の詳細な断層画像を生成する医療用検査装置です。MRIは、CTスキャン装置とは異なり、X線を用いずに詳細な軟部組織の画像が得られるため、脳や神経系、関節、血管などの診断に非常に有効とされています。日本メーカーでは富士フイルム、キャノンメディカルシステムズが有名で、先のような円形で閉鎖的な型式のほかに、オープン型(U字型)のMRIも開発され、高い評価を受けています。
MRI装置の中心部には大型で高磁力の金属製コイル(超伝導マグネット)が使われており、このコイルが装置全体で最も重要な構成要素の一つです。コイルには非常に強力な磁場(最大で数テスラ)を発生させる能力が求められ、通常、超低温で維持される超伝導体を素材としています。MRI装置における磁場の安定性と強度は画像の精度に直結するため、精密な製造技術や加工精度が要求されるほか、冷却を行うための高性能な冷却機構も必要です。
画像を生成する際には、磁場に加えてラジオ波を用いて体内の水素原子核の動きを刺激し、その反応から得られる信号を分析して画像化します。MRIはCTよりも長時間の撮影を要するため、装置は患者が長時間安定して入れる構造になっており、安定した部品製造が品質の維持に不可欠です。
- 大型X線検査装置
X線検査装置は、X線を使用して体内や物体内部の構造を画像化する医療やセキュリティ・物流の分野で広く使用されている装置です。X線を対象物に透過させ、その通過量をセンサーで捉え、画像として再構成する仕組みです。医療では骨や肺の状態を確認するために、また、空港や港湾でのセキュリティ検査では、荷物や貨物の中身を確認するために利用されています。
X線検査装置は高エネルギーを扱うため、X線の発生源と検出部には大型の金属部品が多く使われています。特に、X線発生装置の構造材には鉛やタングステンなどの重金属および合金が使用され、放射線を遮蔽しながら、安全に管理できるよう設計されています。これらの金属部品には、耐久性と高い精度が求められるため、特に精密な加工が必要です。
また、医療やセキュリティの場面では、長時間にわたる装置稼働が想定されるため、耐熱性や放射線耐性のある素材の使用も重要です。特にX線検査装置内部に用いられる金属製冷却システムやコイルなどは、放射線による劣化を防ぎ、内部温度を一定に保つ役割を果たします。こうした部品が装置全体の精度や耐久性に直結するため、設計から製造まで高い技術力、製品に精密な寸法精度が要求されるのが特徴です。
大型検査装置に使われる金属部品の種類
大型検査装置には、その高い性能を発揮するために、精密な検査も要する部品が多く組み込まれており、その多くに金属部品が使用されています。これらの部品は、装置全体の性能や耐久性を左右するため、高度な精度と特性が求められます。医療におけるCTスキャンやMRI装置、また空港や港湾でのX線検査装置、工業用の超音波検査装置といった大型検査装置では、特に大型の金属部品が使用されているのが特徴です。今回は、代表的な部品の種類と、それぞれが装置の機能にどのように貢献しているかを解説します。
コイル・シールド
まず、コイルやシールド材が挙げられます。CTスキャンやMRI装置には、磁場や放射線を生成・制御するための大型コイルが組み込まれており、これらは主に銅やアルミニウムなどの金属が使用されます。MRIでは強力な磁場を生成するため、数百キログラム単位の大型コイルが装置の中心に設置され、これにより画像の高い解像度が保たれます。また、左記の画像を見てわかる通り、銅製のコイルを支えるためのコイルサポートフレーム・コイルホルダーを要し、これが振動や衝撃からの保護を実現します。フレームは、コイルが正確な位置に固定ができるよう、SS材やSUS材、場合によっては非磁性のアルミニウムなどが利用されます。加えて、X線検査装置やCT装置では、放射線を遮蔽するための鉛やタングステンで作られるシールドも必要不可欠です。特に、鉛は放射線を遮る性質が高いため、内部の重要なコンポーネントを保護するために使用され、患者や技術者の安全を守る役割も果たしています。
精密なフレームやシャフト部品
MRI・CTの性能を実現するために、精密なフレームやシャフト部品も求められます。例えば、検査装置本体の内部で動作するパーツを支えるため、金属の強度が求められる部分に用いられ、コイルの正確な位置決めを可能とします。また、医療用のMRI、CT、超音波検査装置では、被験者が乗る可動式の寝台部分も存在し、人体に万が一の悪影響が出ないため、検査の快適さを高めるために、左記の画像のように、寝台部分にも工夫がこなされ、そのための機構やシャフトの開発が行われています。
MRIや超音波検査装置では、機械的な安定性が画像精度に直結するため、重さに耐えながら、位置ズレのない構造が求められます。これには、ステンレスや特殊な合金が多く使われ、耐久性と精密さを両立しています。
また、貨物トラックを検査するための大型のX線検査装置に関しても同様です。これは、大型のトラックがトンネル型の検査装置を通過する形で、検査を行うため、装置自体もトラック以上のサイズが求められます。もちろん、製缶技術等も駆使して、組立式で作られる製品が多いですが、それでも1つ1つのパーツのサイズは長さでL5,000mmを超えるものも多くあります。また、貨物用の大型X線検査装置の製造においても、安全性の担保に向けて、それぞれの加工部品と組立時の加工技術に対して、高い品質が求められます。
ベアリング・軸受け部品
CTスキャンやMRI装置では、内部のX線源、超音波発生源が装置内部を回転するため、安定した回転を実現する高精度のベアリングや軸受が必要です。特に、CTスキャン装置では、大型の円環状構造が高速で回転するため、その回転軸を支えるベアリングや軸受部品は耐久性と高精度な回転性能が求められます。また、MRI装置でも、患者の位置を調整する際や、コイルや電磁部分の動作を安定化するためにベアリングや軸受部品が活用されています。
これらの医療用ベアリングのサイズは用途によって異なりますが、直径数センチメートルから数十センチメートルといった中型から大型のベアリングが主に使用されます。サイズが大きくなるほど、回転時の安定性や耐荷重性が重要になり、耐久性の高い素材と精密な加工が不可欠です。また、MRI装置では磁場の影響を受けない非磁性材料が使用される場合もあります。
医療機器に用いるベアリングは、摩擦や振動を最小限に抑え、長時間の稼働でも高精度を維持する必要があります。高精度のベアリングを採用することで、装置の信頼性や患者の検査精度に貢献しており、医療現場におけるベアリング部品の役割は非常に重要です。
冷却システム・チラーシステム
MRIやCTスキャンなどの大型医療検査装置には、冷却システムやチラーシステムが欠かせません。多くの大型検査装置は高いエネルギーを使用するため、稼働中に大量の熱が発生します。特にMRI装置では、超伝導磁石を冷却するために低温の冷却システムが必須で、装置内部が常に安定した温度で保たれることが求められます。CTスキャン装置でも、X線発生装置から発生する熱を冷却し、連続使用による熱の蓄積を防ぐためにチラーが使用されています。
これらの冷却システムの材質には、耐久性と熱伝導性が高い金属、例えば銅やアルミニウムが多く用いられます。冷却水を流す配管には、耐腐食性に優れたステンレススチールや耐熱素材が使用され、冷却効果を長期間安定して維持することが重要です。また、冷却コイルやヒートシンクといった部品は効率的に熱を放散するよう設計されています。したがって、配管・パイプ製造の金属加工技術はもちろん、溶接製缶技術も重要な技術となります。
冷却システムのサイズは装置全体の規模や冷却能力に応じて異なりますが、MRIのような大型装置では冷却ユニットが数メートルに及ぶ場合もあります。また、冷却水タンクやポンプなどの周辺装置も合わせると、システム全体で相当なスペースが必要です。これらの冷却システムの存在が、装置の安定的な稼働と患者の安全を支える重要な役割を果たしています。
製造工程と求められる加工技術
医療、製造業、物流など多様な分野で用いられる大型検査装置の部品製造には、高度な機械加工技術が求められます。これらの装置には精密さと強度が必要なため、部品製造には多くの注意点や専門知識が必要です。以下では、製造工程や加工技術、注意点、さらに製造業において重要な資格や設備についてポイントを説明します。
製造工程と加工技術の概要とポイント
大型検査装置の部品は用途として、精密な検査や監視という機能を提供するために、精度と耐久性が求められ、通常、複雑な形状や精密な寸法を持っています。特に、旋盤加工、フライス加工などの形状加工、穴あけ加工・研削加工において非常に精密な寸法精度が求められ、さらに、求められる導電性や耐放射能性、耐久性、美観に応じて表面処理の工程も求められ、形状加工の際からこれを考慮した寸法設計と加工を行う必要があります。これを実現するために、CNC(コンピュータ数値制御)工作機械の使用が一般的で、精密かつ安定した品質を確保します。
大型部品製造時の機械加工の注意点
大型の検査装置部品は、寸法が大きく、部品自体の重量も重いため、ワークサイズに対応可能な大型設備の導入と、ワークの固定・クランプへの細心の注意が必要です。加工中の振動や熱による歪みが発生しやすいため、治具を用いたしっかりとした固定と、熱管理が求められます。また、冷却剤の適切な使用も重要で、切削工具と加工面の温度を適切に保つことで、精度の確保と工具寿命の延長が期待できます。さらに、大型部品では切削面積が広いため、加工速度や切削深さの調整が必要です。これにより、工具の摩耗や破損を防ぎ、長時間の連続稼働でも精度を保てるようにすることが求められます。
ISO9001をはじめとした品質管理認証の取得
大型検査装置部品の製造には、特に高度なスキルと資格が重要です。例えば、「機械加工技能士」は、機械加工技術の知識と実務経験を証明する資格であり、金属加工業界で広く認知されています。また、「CAD利用技術者」資格も、図面の読解やCADソフトを使用して設計・加工する技術力の証明として有用です。しかし、左記の資格に関しては、現場での加工技術や知識の習熟度と必ずしも一致しないことも多く、部品製造をメーカーに依頼する際は、打ち合わせや問い合わせを通して、理解度を図ることが重要です。加えて、大型検査装置においては、高精度かつ高品質な機械部品の製造は必ず求められるので、ISO9001など品質管理に関する認証の方が重要性が高い場合が多いです。また、医療用の検査装置に関しては、医療向けに特化したISO13485といった認証も重要視される場合は多いです。メーカー視点では、これらの認証を取得することで製品の品質と信頼性を保証し、顧客からの信頼を得ることができます。当サイトを運営する関根鉄工所では、ISO9001:2015の認証を取得し、高い品質管理を行っております。また、重ねてとなりますが、部品製作の発注側も、発注先となるメーカーが認証を保有しているかは確認すると良いでしょう。
大型検査装置を構成する大型部品のサイズに対応する設備の導入
大型検査装置部品の製造には、大型の加工設備が不可欠です。先に挙げたフレームやコイル・シールドにおいても、ワークサイズが1mを超える製品が多々あり、ターニングセンタや門型の五面加工機などの大型機械が求められます。これらの機械は、通常の旋盤やフライス盤と比較して大きな加工範囲を持ち、部品の重量にも耐えられるように設計されています。さらに、これらの機械は旋盤加工とフライス加工、ミリング加工など、複合加工が可能である設備も多く、工程を合理化し、部品製造のための品質の向上とコストの低減を実現できる場合があります。当サイトを運営する関根鉄工所では、φ2800[mm]まで対応できるターニングセンタ(オーエム製作所 NeO-28EX)、加えて、最大幅3000×長さ5000×高さ2000[mm]まで加工可能な五面加工機(オークマ MCR-A5CⅡ)を導入しており、大物の加工を得意としており、溶接製缶、協力会社とも連携した表面処理など幅広いニーズに対応可能です。
また、大型部品を保持する際は、高い寸法精度を維持するために、治具や固定装置の開発と利用によって、適切な位置決めと振動や熱影響による精度低下を防ぐことができる固定のノウハウが重要です。場合によっては、専用の治具の開発が求められる場合もございます。
検査設備と品質管理
大型部品の精度を保証するためには、三次元測定機やレーザー測定機といった高精度の検査装置が必要です。これらの検査設備を用いることで、完成した部品の寸法精度や表面の粗さを細かく測定し、品質管理を徹底することができます。また、医療機器部品や製造業での検査装置部品では、トレーサビリティが求められるため、製造から検査までの記録を一元管理することも重要です。関根鉄工所では、製品・工程のトレーサビリティの管理はもちろん、検査に関しても付近工場と連携して、最新の検査設備を利用可能な体制を整えており、精密性が求められる大型検査装置部品の製造が可能な環境を万全に整えております。
大型検査装置の部品製造は、精密な機械加工技術と品質管理が求められ、さらに高度な資格や専用の加工設備も不可欠です。すべての要素が組み合わさることで、信頼性の高い部品の提供が可能となり、医療や製造業、物流などの多様な分野で求められる品質基準を満たすことができるのです。
弊社の大型部品・精密加工品の事例
最後に、当社にて実際に加工した大型検査装置部品の製造にも関連する製造実績をご紹介します。
1.産業向け軸回りブラケット製品
材質 | SS系 |
サイズ | Φ2500×H500 |
開発期間・納期の目安 | 3ヶ月 |
公差レベル | ±0.05 |
SS系製の軸回りブラケットとなります。
ターニング設備を利用し、H7公差・真円・平面を確保し、製作した製品です。納品先は機密保持のため明かせませんが、利用シーンがデリケートな部品となるため、高精度加工を施した大型部品となります。
また、材料調達から製缶溶接、機械加工、表面処理まで一貫生産にて対応しており、お客様のコスト低減も図れた製品です。
2.SS400 半割加工品
材質 | SS400 |
サイズ | φ400~1500×H500~1000 |
開発期間・納期の目安 | 2カ月(材料調達から) |
公差レベル | ±0.02 |
SS400にて製造した半割加工品となります。大型部品となるため、輸送のコストや設計上の課題から半割加工にて製作した製品です。近年では、オープン型(円状ではない検査用コイル部)のMRI等も開発されていることもあり、半割加工や、特殊形状の加工にも弊社は対応可能であることを覚えて頂ければと考えております。
ターニングセンタおよび五面加工機により加工を行い、利用シーンの関係上、精密性が求められるため、面粗度および寸法公差に関して、最高レベルの精度で加工した製品となります。また、上記の設備の複合加工機能を利用して、工程の合理化を行うことで、コスト低減も図っております。
まとめ「大型検査装置とは?」
本記事では、大型検査装置の概要と種類や利用されている部品、また、検査装置部品を製造する際のポイント等を紹介しました。
大型検査装置は、医療、産業、物流など幅広い分野で開発・利用がされており、最新技術も搭載して我々の健康や生活を支える重要な製品です。したがって、検査装置を構成する部品の製作にも高い技術と品質管理が求められるほか、新たな機構の検査装置の研究開発も進められているため、加工技術や設計技術の向上がより求められる時代も予想される技術製品となります。
当社(株式会社関根鉄工所)は、大物の丸物加工、角物加工の製造を得意としており、高い品質管理基準と検査体制も整えており、大型検査装置向け部品の製造に貢献できる技術や実績を保有しております。
大型検査装置の部品製作や設計の際のお困りごとがございましたら、お気軽に当社にご相談ください。
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